相続税幾ら?(基礎01)
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相続税の計算…相続税の考え方
相続税幾ら?(基礎01)
「相続税」とは、死亡した人の財産=『相続財産』を受取った場合、その金額に応じて課税される税金です。
よく、「1,000万円を相続したら、相続税はいくらになるの?」‥などといった質問を受けます。そして、「分かりません。」‥と答えます。明快に即答したいのは山々なのですが、分かりようがないのです。
「相続税」は、財産をもらい受けた人=『相続人』に対し、一人一人についてかかる税金です。したがって、税額も一人一人決まっている‥と、考えたくなりますよね。
しかし、受取った金額だけでは、分からないのです。何故でしょう?
それは…「相続税」の課税額の算出には、「相続財産」全体の金額と「相続人」の人数が関係するからです。受取った「相続財産」の金額が同じでも、財産総額と「相続人」の数によって、相続税額は異なるのです。
「相続税」を計算する際に、「相続財産」から差し引かれる『基礎控除』があります。「相続税」の『基礎控除』は…〈5,000万円+相続人の数×1,000万円〉…という算式で求められます。
そして、「相続財産」全体から『基礎控除』を引いた額が課税対象として「相続税」がかけられ、相続税額が決まるのです。
「相続人」が二人の子で、「相続財産」が全体で7,000万円である場合…『基礎控除』は、〈5,000万円+2×1,000万円=7,000万円〉です。このように、「相続財産」全体の金額と『基礎控除』の金額が等しい場合、「相続税」は課税されません。
仲良く半分ずつ相続しても、「相続税」は、どちらにもかかりません。2,000万円と5,000万円で相続しても、3,000万円と4,000万円でも…「相続税」は、かからないのです。
同じく「相続人」が二人の子で、「相続財産」が2億円である場合は…財産総額(2億円)が基礎控除額(7,000万円)を超えるため、「相続税」はかかります。「相続税」の計算方式に従い、相続税率を用いて算出した相続税額は、2,860万円です。
ここで、一人が1,000万円を相続すると、その1,000万円に対して14.6%…つまり146万円の「相続税」がかかります。そして、もう一人が相続する残りの1億9,000万円に対しても、14.6%…2,774万円の「相続税」がかかることになります。
「相続財産」全体に対する相続税額を算出する際に適用した《相続税率》は、各「相続人」にかかる税額の計算にも適用されます。全体の相続税額を、各「相続人」が受け取った財産の割合で分担するわけです。
上の例では、財産分割の結果…自分が受け取った「相続財産」に対して、二人とも14.6%の税率が適用されます。仲良く1億円ずつ分けても、この税率は変わりません。
このように、同じ1,000万円を相続する場合でも、「相続財産」全体の金額によって相続税額は異なるのです。
そして、財産総額が『基礎控除』の範囲内であれば、非課税になるわけです。
また、《相続税率》は、財産が多くなるほど税額が高くなる『累進税率』です。
「相続人」が二人の子で、「相続財産」が50億円となると…税率は47.4%・相続税額は23億7,100万円です。ここで、一人が50億円のうち1,000万円《しか》相続しなくても…相続税額は、1,000万円×47.4%=474万円《にも》なるのです。
同じ税率なら、取り分は多い方が良さそうですね。…この発想、《相続争い》の源泉でしょうか?
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