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相続税基礎控除は70坪?…小規模宅地評価減で非課税に!
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小規模宅地の評価減
相続人が、配偶者と子1人である場合…「相続税」の基礎控除額は、7,000万円です。7,000万円というと…坪単価が100万円の土地で、70坪です。都市部では、自宅だけで基礎控除額を超えてしまいます。
さて、相続税法には、土地の面積的な基礎控除である『小規模宅地の評価減』があります。相続人が、被相続人(死亡した人)の遺産である土地の中から60坪〜120坪の土地を選んで、相続税評価額を減らせる制度です。
基礎控除は70坪?
この制度で、配偶者または同居の子が、相続した自宅敷地を選択すると…70坪(厳密には240平方メートル)までの部分が、80%減額した評価になります。ですから、上記7,000万円の土地は、80%引いた1,400万円として評価されるのです。
土地の評価が、7,000万円ではなく1,400万円ならば…他に数千万円の預金等の遺産があっても、「相続税」はかかりません。遺産が、自宅敷地70坪と多少の預貯金である場合、「相続税」は非課税なのです。
まるで、《70坪の基礎控除》のようですね。この仕組みが、「相続税」の大衆課税化を、防いでいます。
貸家も店舗も…
この制度の適用は、自宅敷地に限りません。アパート敷地は、60坪(200平方メートル)までが50%の『評価減』です。親の商売を子が継いだ店舗は、120坪(400平方メートル)までが80%の『評価減』です。
このように、選択肢はありますが…広い土地が数ケ所ある場合でも、使えるのは、最大で120坪までです。
単価が高いと有利
『評価減』の金額は、坪単価が高い土地であるほど多くなります。70坪の自宅の坪単価が10万円なら、『評価減』は、10万円×70(坪)×80%(評価減)=560万円です。そして、坪単価が1,000万円なら、1,000万円×70×80%=5億6,000万円になります。
坪単価が高い…つまり、都市部の土地所有者が、多額の『評価減』を使えます。数ケ所で土地を所有している場合、当然、最も坪単価の高い土地での適用を考えます。
地方の土地所有者が、東京都心部のビルを購入するのも、『評価減』を使った相続税対策です。購入するビルが60坪であれば、その敷地は、50%減額した評価になります。そして、坪単価が1,000万円ならば…60坪で6億円ですから、その50%である3億円の『評価減』が使えるのです。
使えなければ…
遺産が現金や有価証券のみでは、『評価減』も、使いようがありません。父親の相続で…子が不動産を、母が現金1億円を、相続しました。母は、1億円の「相続税」が心配なのですが…母所有の土地は無く、『評価減』は使えないのです。
子は、自宅敷地を所有しています。坪単価が100万円の70坪ですから、価額は7,000万円です。母が、この自宅敷地を買い取ります。売買契約書が作成され、7,000万円が母から子へ、土地の登記名義人が子から母へと移ります。
時価売買でOK
この売買で…母の財産は、自宅敷地7,000万円と現金3,000万円になりました。自宅敷地は、『評価減』により80%減額した評価となり、相続税評価額は1,400万円です。
将来の母の相続に際しても…被相続人である母所有の自宅敷地について、子が『評価減』を使えます。母の相続で、「相続税」の課税対象になるのは、評価減後1,400万円の自宅敷地と現金3,000万円です。これで、「相続税」の心配は要りません。
たとえ節税が目的であっても、売買が実行されれば良いのです。ただし、売買は時価で行います。時価と取引価額に差があれば、「贈与税」の課税対象です。
譲渡税に注意!
さて…自宅敷地を売却した子には、「譲渡税」の問題があります。父親の「相続税」を申告してから3年以内であれば、「相続税」の経費化により、課税を回避できる場合があります。また、その土地が、購入後に値下がりしていれば非課税です。
譲渡税においては居住用財産、つまりマイホームの売却であれば《居住用3,000万円控除》がつかえて税金がゼロになることもありますが親子間売買では使えません。「譲渡税」に加え、登録免許税や不動産取得税も生じます。
また、『評価減』で「相続税」を節税する対策として、《交換》の応用策もあります。母が、『評価減』を適用できない宅地を所有していた場合…「譲渡税」に留意して、その宅地と子が所有する自宅敷地等を交換します。
母の相続時には、母の遺産である土地として、『評価減』が使えます。ただし、登録免許税と不動産取得税が課税されます。『小規模宅地評価減』をいかに使うかが、「相続税」の重大なポイントなのです。
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