未分割だと配偶者控除や小規模宅地の評価減は使えない
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未分割のままでもいいのですが、未分割のままだと使えない税務上の特例があります。配偶者の税額軽減や小規模宅地の評価減です。
未分割では配偶者控除は使えませんから、もし全財産が未分割であったなら本来は配偶者控除により、相続税を納税する必要がない配偶者もいったん税金を払うことになります。つまり未分割なら配偶者は仮にでも相続税の納税義務が生じてしまうのです。
しかしその後3年内に分割が整えば配偶者控除は使えることになり、払った相続税はもどってきます。ただし注意すべきは最初の相続税の申告の時に書類を出しておかないといけないということです。厳しいものです。
小規模宅地の評価減も同様です。
未分割では配偶者控除は使えませんから、もし全財産が未分割であったなら本来は配偶者控除により、相続税を納税する必要がない配偶者もいったん税金を払うことになります。つまり未分割なら配偶者は仮にでも相続税の納税義務が生じてしまうのです。
しかしその後3年内に分割が整えば配偶者控除は使えることになり、払った相続税はもどってきます。ただし注意すべきは最初の相続税の申告の時に書類を出しておかないといけないということです。厳しいものです。
小規模宅地の評価減も同様です。
■ 配偶者の税額軽減に係る承認申請の却下処分を適法とした事例
▼ 裁決事例集 No.62 - 343頁
請求人は、K税務署の職員は、本件特例が適用できること及び本件特例を受けるための手続について説明する義務があるにもかかわらず、その説明がなかったため、本件特例を受けることができなくなり、相続税が払えないような状況になった旨主張する。
しかしながら、申告納税制度の下では、本件特例のような税法上の特典を受けるための手続は、原則として納税者自らの責任で行うべきであるから、税法に特段の定めがある場合は別にして、原則として、税法上の特典についての説明の有無が、本件特例の適否に影響を及ぼすことはないと解すべきであるところ、税務署の職員には、本件特例の適用を受けるための手続等を説明しなければならない旨を定めた法令の規定はない。したがって、この点に関する請求人の主張は、その基礎とされている事実の有無について検討するまでもなく、本件却下処分の取消しを求める理由としては、不相当というべきである。
請求人は、配偶者に対する相続税額の軽減の特例の適用を受けるため提出した「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請」(以下「本件承認申請」という。)を却下する旨の処分(以下「本件却下処分」という。)は違法である旨主張するが、本件承認申請は、申請期限を徒過して提出されているは明らかであり、また、申告期限内に申請書の提出がなかった場合に税務署長の裁量により申請を認めることができる旨を定めた法令の規定もないことから、本件却下処分は適法であるといわざるを得ない。
平成13年7月24日国税不服審判所裁決