相続税の課税財産(基礎04)

相続税はどんな財産に課税されるのか

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課税対象財産…相続税はどんな財産に対して課税される


 「相続財産」とは…「被相続人」が死亡した日に有している、すべての財産を指します。お墓や仏壇・位牌などは「相続財産」には該当せず、「相続税」は非課税です。
以下は、「相続財産」の一例です。



 さて、生命保険契約の「死亡保険金」は、「相続税」の課税対象となるのでしょうか。《生命保険契約》とは…〈契約者が保険会社に保険料を払い、保険会社は契約者が指定した受取人に「死亡保険金」を支払う〉‥というものです。
「死亡保険金」は、契約者の死亡によって保険会社から受け取るものですが、民法上の「相続財産」ではありません。しかし、契約者が保険料を払っていたから、「死亡保険金」が支払われるわけです。

 「死亡保険金」の受取人は、保険料を払う契約者の死亡によって、保険金を受け取ります。そこで、生命保険契約の「死亡保険金」は…相続税法上、〈「相続財産」と似たようなもの〉‥とされ、「相続税」が課税されるのです。そして、『みなし相続財産』と呼ばれています。
「相続財産」ではないけれど、〈相続財産とみなす財産〉だから「みなし相続財産」‥と、名付けたのでしょう。安易なネーミングですねぇ。分かりやすいけど…。

 弔慰金制度を備える企業の従業員などが死亡したときに、遺族に給付される『死亡退職金』も、「みなし相続財産」です。「死亡退職金」は会社から遺族に直接給付されるものですから、「相続財産」ではありません。「死亡保険金」と同様、「みなし相続財産」として「相続税」が課税されます。
なお、「死亡保険金」と「死亡退職金」には、「相続人」一人について500万円の《非課税枠》が設けられています。

 また、相続開始前3年以内の贈与財産は「相続財産」に加算され、「相続税」の課税対象となります。「被相続人」が死亡する前の3年間に行われた『贈与』については、「贈与税」ではなく「相続税」が課税されるのです。
すでに「贈与税」を納めた場合、その分は相続税額から差し引かれます。「相続税」の計算をして、算出された税額から「贈与税」を控除するというわけです。

 民法上、相続については過去の『贈与』も考慮されますが、課税も一緒にさかのぼるのは困難です(税法改正などもありますし‥)。そこで、〈3年間だけさかのぼって清算する〉…という仕組みになっているのです。
なお、「贈与税」の特例である『配偶者控除』は、「相続税」加算の対象になりません。また、『相続時精算課税』と呼ばれる「贈与税」は…3年間に関わらず、「相続財産」に加算した上で、相続税額から控除することになります。
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