相続直前の預金引出
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相続があったことが銀行に伝わると、銀行は引出しを簡単には認めてくれません。お葬式費用もかかるしどうしよう。銀行がきずく前にお金を引き出して残高をゼロにしてしまうのはよくあることです。
でもその場合にでも相続の時点では残高があったからその残高は相続財産として相続税の対象です。
そして亡くなる直前に手際よく引き出されることもあります。それはお葬式費用だったり、「生前に引き出しておけば相続税はかからないだろう」という邪心があったりします。
相続税の調査の場面では、相続直前の銀行預金のお金の動きの確認はあたりまえにされています。納税者が気がつかないうちに税務署が銀行に問い合わせていることもあります。
引きだしたお金は、銀行預金から現金にかわったものの、相続財産として相続税の対象となるというのが結論です。
■相続開始直前に銀行預金から引き出した現金について、相続開始時における手持現金と認定した事例
被相続人が相続開始日直前4日間に銀行の普通預金口座から引き出した現金(40,000,000円)については、被相続人の死亡直前の状況により、資産の取得、債務の返済、その他費消等のために支出された事実が認められないことから、当該現金は、相続開始時の手持現金と認めるのが相当である。
昭和54年6月21日国税不服審判所裁決